用語集

匠のぬくもり本舗 農具用語説明

匠のぬくもり本舗でご紹介している農具に関係する用語をまとめました。(あくまでも当店の表記です。他店の商品との整合性は未確認です。)

刃の材質・製法

■ 鋼
鉄の原石の鉄鉱石から、炭素などの不純物の量を調整して硬度や靭性などの耐磨耗性を高めて精製された合金のことを鋼と呼びます。熱と圧力を加えると丈夫で粘り強い特性を引き出すことができるため、古来から刃物造りの材料として使用されてきました。つまり鋼“はがね”は、刃物に使う金属“刃金”のことだったのです。
■ 鍛造
鋼をハンマー等で叩き、圧力を加えて金属内部のすき間をつぶすことにより、硬度を高めながら成形する技法です。鋼の特性を引き出して、目的の形状に整えるためには熟練の技術が必要です。この鍛造の技術を駆使して、金属を打ち鍛えて加工するのが鍛冶の語源と言われています。
■ 鍛接
熱や圧力を加えて異なる金属を接合する技法です。当店の「鍛造鋼付け」商品にも使われています。
■ 焼き入れ
鍛造の際に用いる鋼を高温で熱して硬度を高める手法です。刃は“ヤイバ”とも呼びますが、これは焼き入れをした刃“ヤキハ”の語意が転じたものだそうです。また、焼き入れの後処理として、鍛造した鋼に粘り強さを加えるために再度加熱する焼き戻しという手法があります。
■ 鉄と鋼の二層構造
軟らかい鉄の土台(地金)に鋼を鍛接することで、刃の切れ味を持続させる製法です。鍬などの農具においては、使用中の土との摩擦が研ぎ石のように作用します。その際に、鉄と鋼の硬度の違いから刃の背側の軟らかい鉄が鋼よりも多く摩耗することにより、刃先にあたる鋼部分が常に突き出ることになるのです。この構造によって刃の切れ味が長持ちするのです。
■ 鍛造鋼付け
軟らかい鉄の厚い土台に薄い鋼を鍛接加工する鍛冶職人の伝統製法です。鋼を加熱しハンマーで手や機械を使って叩き鍛えることで、強く丈夫になる鋼の特性を引き出して、鋭い切れ味の刃をつくる加工方法(またはその製法で加工された刃の総称)です。鉄と鋼の二層構造により刃の切れ味が持続します。「本鍛造鋼付」や「手打ち」「手付け」などと表記しているメーカーもありますが、当店では「鍛造鋼付け」の表記に統一しています。
■ 鋼付け
職人の手による鍛接ではなく、あらかじめ工業的に鉄と鋼を合板した利器材と呼ばれる複合材を用いた刃部を、当店では「鋼付け」と表記しています。構造は「鍛造鋼付け」と同じですが叩き鍛えていない製品です。利器材を用いていても、職人がハンマーで叩いて製造しているものは「鍛造鋼付け」に区分されます。切れ味の持続という点では「鍛造鋼付け」には敵いませんが、「全鋼」や「ステンレス」よりは長持ちします。
■ 全鋼
全て鋼を材料に造った刃です。刃先の硬度・靭性や切れ味の持続は「鍛造鋼付け」「鋼付け」に敵いませんが、焼き入れで硬度を上げていますので、薄くても(細くても)丈夫で、軽くあつかいやすい刃を造ることができます。薄い刃の鍬やエンピ類、刃先が細く強度が要求される備中鍬や収穫フォークなどに使用している材料です。
■ ステンレス
ステンレス鋼で造った刃です。硬度は全鋼の刃と同等ですが、錆につよいステンレスの特性により使用後のお手入れが簡単です。また、ステンレスの土台に鍛造した鋼を刃先に鍛接した、「ステンレス鍛造鋼付け」の商品もございます。
■ 磨き仕上げ
刃部の表面を研磨することで土離れを良くする仕上げ手法です。当店の「磨き三角鎌」やなどに使用されています。三角鎌は除草の他にも土を寄せて運ぶ作業を兼用できるため、磨き仕上げを施すことにより内側の窪みの土残りを軽減できるのです。
  • 鍛造工程

    ▲ 鍛造工程

  • 鋼と鉄の二層構造(鍛造前)

    ▲ 鋼と鉄の二層構造(鍛造前)

  • 鍛造鋼付けの刃

    ▲ 鍛造鋼付けの刃

  • 鋼付けの刃

    ▲ 鋼付けの刃

  • ステンレス(全鋼)の刃

    ▲ ステンレス(全鋼)の刃

  • 磨き仕上げ

    ▲ 磨き仕上げ

刃の各部位

■ 頭
柄を除いた鍬の本体にあたる刃部全体のことを鍬の「頭」と呼びます。
■ ヒツ
鍬の頭に柄を差し込む穴の開いた部分の名称です。柄の差し込み方法は「引き込み」と「打ち込み」があり商品によって違います。「引き込み」には目釘、「打ち込み」にはクサビと呼ばれる留め具で補強しているものもあります。
■ クサビ
ヒツに差し込んだ柄のグラつきを抑えしっかりと固定するために使用する留め具。木でできたクサビが、柄とヒツとのすき間を圧迫することでグラつきや脱落を防止します。
■ コミ
鍬の頭と柄をつなぎ留めるための突き出た部位のこと。「桂止め」や「目釘止め」で柄に固定します。
■ しのぎ
鍬の頭の中央部など、もっとも負荷がかかる箇所に厚みをつける鍛造加工の製法です。当店のタケノコ掘りなどに使用されています。
■ リブ
薄い刃の道具が曲がりにくくするためにくぼみを付けるプレス加工です。当店の穴掘り道具に使用されています。
■ 耳折り
土寄せや土運びの効率を良くするために鍬の側面やフチを立てる加工です。当店のおすすめ家庭菜園鍬「極」などに使用されています。
  • ヒツとクサビ

    ▲ ヒツとクサビ

  • コミ

    ▲ コミ

  • しのぎ

    ▲ しのぎ

  • リブ

    ▲ リブ

  • 耳折り

    ▲ 耳折り

柄部の仕様

■ 白木柄(無垢柄)
表面加工をしていない木柄です(白く塗っているわけではありません)。
■ 塗木柄
表面にニスなどの溶剤を塗布して握りやすくした木柄です。光沢のある見た目は高級感があります。
■ 焼木柄
表面に焼きを入れて独特の風合いを出した木柄です。
■ コブ付き
手元のすべりを抑えるために握りやすいコブを付けた取っ手です。
■ コラボグリップ
アルミ柄の手元のすべりを抑えるために木製のグリップを取り付けた取っ手です。
■ スコップ柄
収穫フォークに付いているスコップのような三角形の取っ手です。
■ T字
穴掘り道具のエンピや回転式スコップの取っ手の形状です。刃先を土に突き立てて回して使う道具なので、手元で取り回しやすいようにT字になっています。
  • 木柄の種類

    ▲ 木柄の種類

  • グリップの種類

    ▲ グリップの種類

  • スコップ柄とT字柄

    ▲ スコップ柄とT字柄

柄部の接合方法

■ 引き込み式
頭の裏側(下側)からヒツに柄を差し込んで、クサビを使わずに止める接合方法です。柄の交換が簡単にできます。ネジ式の目釘で補強してある商品もあります。
■ 打ち込み式
頭の表側(上側)からヒツに柄を差し込んでクサビを打ち込んで固定する接合方法です。使用中に水分を吸って木が膨張し、さらにしっかりと固定されます。また、柄やクサビの木が痩せ細ってきても、クサビを打ち込み直すことで調節ができます。
■ 桂止め式
コミという出っ張りの付いている鍬の頭を柄に取り付ける方法のひとつ。桂・目釘・ボルトの金具で固定します。桂は金属製のベルトです。柄にかかる桂の圧力を分散させるために、柄の裏側から背金という金属の板で補強しています。
■ 目釘止め式
コミという出っ張りの付いている鍬の頭を柄に取り付ける方法のひとつ。柄に入れたスリット(割りコミ)にコミを差し込み、目釘を打って固定しています。主に立鎌タイプの草削りなどに使用されています。
  • 引き込み式

    ▲ 引き込み式

  • 打ち込み式

    ▲ 打ち込み式

  • 桂止め式

    ▲ 桂止め式

  • 割りコミ・目釘止め式

    ▲ 割りコミ・目釘止め式